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ポリクチミミガッサの隆盛についての考察

S7お疲れ様でした。

記事に出来るほどの構築を組めなかったので、前期に考えていたことを書き残しておきます。

 

(以下常体)

 

数シーズン前から、ポリクチを軸とした構築の中で最も流行していたのがf:id:mennsyokuninn:20180127073123j:imagef:id:mennsyokuninn:20180127073129j:imagef:id:mennsyokuninn:20180127073212j:imagef:id:mennsyokuninn:20180127073248j:image+2のいわゆる「ポリクチミミガッサ」の並びである。(ミミッキュの手持ちアイコンが手に入らなかったのでピカチュウで代用)

+2には、リザードンゲッコウガランドロスボルトロスアーゴヨンなどが入ることが多く、対面的な動きで相手を倒していく動きが基本となる。

サイクルポリクチ脳の筆者としては、こういった対面ベースの構築は使いづらく感じることもあり、終盤での使用は控えたものの、この軸を上回るポリクチを構築できなかったことも事実。これからの成長のためにも、なぜ彼らが数を増やしていたのかを改めて考察してみようと思う。

 

そもそも、6世代ならば対面構築のメガ枠にクチートを採用することはほとんど無かった。ガルーラがいたからである。

つまり7世代における対面構築の多様化は、ガルーラの弱体化によるところが大きい。そこで、6世代でのガルーラの強さを5つの要素に分解して考えていこう。なお、以下に挙げる要素は論を冗長にしないためにかなり抽象、簡易化していることはご容赦ください。


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<ガルーラの強さ>

1.自分より遅いポケモンに対して猫+捨て身で縛ることが出来る

 

2.自分より速いポケモンの攻撃を1発は耐えることが出来る(かつ返しの攻撃で落とせる)

 

3.猫騙し+不意打ちによってストッパーになることが出来る

 

4.二回攻撃でたすきを貫通することが出来る

 

5.グロウパンチによる崩しを行うことが出来る

 

1、2の要素に関しては言葉でいうほど簡単なものではないが、大まかに言うとガルーラが評価されていた強さは上に列挙した通りである。

これらの長所を有することで、ガルーラは6世代対面構築の王座に君臨し続けた。だが、前述の通り7世代に入ると弱体化され、個体数を激減させてしまう。具体的な弱体化内容とそれによる影響は以下の通り

 

・親子愛補正が1.5→1.25倍に低下

→1. 3. 5.の弱体化

 

・不意打ちの威力が低下

→3.の弱体化

 

・Z技の登場

→2.の弱体化

 

これらのガルーラ弱体化原因のうち、この論の中では、最後に述べたZ技の登場を中心に考えていきたいと思う。先に述べた<ガルーラの強さ>を纏めると、ガルーラの強さはそのゲームメイクのしやすさにあった。幅広いポケモンに対面から勝つことが出来るのはさることながら、さらに殴り勝てるポケモンを選出段階で計算できることもガルーラの大きな特性だった。選出画面で勝てると思ったポケモンにガルーラはほぼ勝つことが出来る。よって対戦が開始する時点でガルーラを使う側はその試合の流れを大まかに予測することが出来ていたのである。「ガルーラに不利対面はない」という名言が生まれた背景である。だが、7世代に入りZ技が登場すると、ほぼ全てのポケモンがZパワーを使用することで超火力一致技を放つことができるようになる。これによってガルーラは選出段階で「Zじゃなければ勝てる」という不安定な想定をしなくてはならなくなった。そして親子愛補正の低下による縛り能力の低下。ガルーラは「ほとんどのポケモンに勝てる」ポケモンではなくなってしまった。

テッカグヤを筆頭とした鋼タイプでの体制受けでサイクルを回す風潮が広まると、グロウパンチと炎のパンチによって崩しの役割を担うガルーラが脚光を浴びたものの、カバルドンの強さが評価されるにつれ再びその数は減少。見たとしてもそれは崩しの役割を担ったグロウパンチガルーラが殆どであり、以前のように対面性能に主眼を置かれたものではなくなっていた。

 

そしてSM環境終盤になると、ガルーラの担っていた対面構築は一つの時代の終わりを迎え、新しい対面構築の形が注目される。

それが「ポリクチミミガッサ」の形である。

この構築の特色、それはZ技に対する強さにある。ミミッキュとガッサはZ技持ちの相手と対面しても、数値と関係の無い部分で行動保証を得ることが出来ているため一度以上の行動回数を計算することが出来る。

また、ポリゴン2しんかのきせきによって得た耐久により等倍ならばタイプ一致でも一撃はZ技を耐えられることが多い。

そしてクチートはその圧倒的な火力により、トリル下であれば相手にZ技を打たせずに倒すことができる。

つまり、

Z技を打たれても被害が少ないf:id:mennsyokuninn:20180129172929j:imagef:id:mennsyokuninn:20180129172936j:image

Z技を耐えて切り替えせるf:id:mennsyokuninn:20180129173009j:image

Z技を打たせずに倒すf:id:mennsyokuninn:20180129173031j:image

によって構成された構築であると言える。

また、Z技との相性がいい高速アタッカーたちに、トリルギミックがよく刺さることも評価が高い。

6世代から今に至るまでの対面構築の変遷を紐解くと、これ以降のUSMにおける対面構築は、「Z技を受ける」のではなく「Z技を打たせずに倒す」ことにシフトしていくのではないだろうかと考えられる。

その顕著な例として、USM初のシーズンとなったシーズン7では、今までの環境で強く意識されることのなかったスカーフ持ちを組み込んだパーティーが結果を残した。

構築記事やSNSの活発化により情報化がさらに進んだポケモン界隈で、今得た情報は直ぐに過去のものになってしまう。

過去に目を向け現環境との違いに着目しながら、未来の環境に刺さる構築を開発することが、現代を生きるポケモントレーナーには求められているのだろう。

 

筆者@someman_poke